2006年 オフィシャル ソフトボール ルールの改正と適用


(財)日本ソフトボール協会 審判委員会


1−45項 オブストラクション(17頁)

05年ルール 
1 守備側のプレイヤーまたはメンバーが、打者の投球に対する打撃を妨害したとき。
2 野手が球を持たないか、打球を処理しようとしていないとき、正しく進塁している走者の走塁を妨害したとき。

06年ルール [新設]
3 野手が球を持っていても、塁上の走者を押し出したり、進塁中の走者を故意に妨害したとき

[適用] 
1 ディレードデッドボール
2 走塁を妨害された走者および他の走者は、審判員の判断により妨害がなければ達していたと思われる塁までの安全進塁権が与えられる。

[運用] 
このようなフェアプレイの精神やプレイヤーのマナーに反する行為は、容認してはならない。


2−4項 ダブルベース(26頁)
2−4.4

05年ルール 
守備側のプレイヤーは、常に白色ベースを使用しなければならない。

特例
一塁側のファウル地域からプレイが行われたときは、打者走者・守備者ともにオレンジベース・白色ベースのどちらを使用してもよい。

06年ルール [新設]

特例
また、守備者がオレンジベースを使用しているときは、打者走者はフェア地域を走ることができる。

例示
[一死、走者二塁。打者がボールカウント3−2のとき、空振り三振したが、捕手が後逸して一塁側ファウル地域に転がった。これを見て打者走者は一塁に向かったが、このとき一塁手はファウル地域からの送球を捕るためオレンジベース上で構えていた。]

特例により、守備者がオレンジベースを使用しているときは、打者走者はフェア地域を走ることができる。
このケースでは、守備者も打者走者も白色・オレンジベースのどちらを使用しても良い。
この特例は、一塁ベース上で守備者と走者との接触(衝突)を避けるためのルールである。


3−3項 グラブとミット(31頁)
3−3.2
05年ルール
投手が使用するグラブは、全体が一色であって、その色は白色か灰色以外の色でなければならない。

06年ルール
投手が使用するグラブは、グラブのひもを含め、多色でもよいが、球以外の色でなければならない。

[適用]
1 当該ゲームで使用しているボールの色以外の色のグラブであること。
2 白色ボールを使用するゲームでは、ひもを含め白色または灰色以外の色のグラブであること。
3 イエローボールを使用するゲームでは、ひもを含めボールの色と紛らわしい色以外のグラブであること。
4 ボールとグラブの色が余りにも同系色で、打者が極端に不利になるような色のグラブであってはならない。
5 ひもを含め、ボールの色以外の色であれば、多色であっても使用できる。
6 黄色に近い色のグラブが数多く出回っているが、使用可否の判断については審判員の判断によるが、極端に走らず、社会通念上、許容される判断をすること。

[修正]
ケースブック6019
[白色ボールを使用しているゲームで、投手が黒のグラブに白い革紐のついたものを使用していた]
投球すれば不正グラブになる。
投手は白・灰色以外の一色のグラブが義務づけられ、グラブの紐についても同色でなければならない。
                  ↓
投球すれば不正グラブになる。
投手のグラブは、グラブの紐を含め、多色でもよいが球以外の色でなければならない。

[運用]
1 審判員が、投手の不正グラブの使用を投球前に発見したときは、直ちに試合を停止し、厳重注意のうえ是正させる。
2 投球後であればディレードデッドボールをコールし、不正投球とする。
3 打撃完了後に、投手が不正グラブを使用し、打者・打者走者・走者に対してプレイをした場合は、攻撃側監督に選択権が与えられる。


3−7項 ユニフォーム(35頁)

3−7.2 ユニフォームナンバー

05年ルール
(注)個人名を付けるときは、背中のナンバーの上にローマ字で全員がつけること。高校生以下は個人名をつけてはならない。

06年ルール
ユニフォームの背中は、ユニフォームナンバーと個人名・チーム名のみとする。
個人名・チーム名をつける場合は、ユニフォームナンバーの上部に全員がつけること。(個人名はローマ字表記のみとする。)

[適用]
1 ユニフォームの背中には、ユニフォームナンバーのほかに、個人名またはチーム名をつけることができる。
2 ユニフォームの背中にチーム名をつけるときは、ローマ字表記または漢字表記でもよいが、全員がつけること。
3 個人名をつけるときは、ローマ字表記で全員がつけること。
4 ユニフォームの背中にスポンサー名等をつけることは、認められない。
5 これまで高校生以下のチームは個人名をつけることができなかったが、新ルールではユニフォームナンバーの上部に、個人名またはチーム名をつけることができるようになった。

[修正]ケースブック3026
[ユニフォームの背中に学校名や会社名をつけてよいか]
つけられない。背中にはユニフォームナンバーと「個人名」しかつけられない。個人名をつけるときはローマ字に限られ、漢字・平仮名は認められていない。また、個人名をつけるときはチーム全員がつけなくてはならない。
(注)高校生以下は個人名をつけることはできない。
                     ↓

ユニフォームの背中には、ユニフォームナンバーと個人名・チーム名のみつけることができる。
チーム名をつけるときは、ローマ字表記又は漢字表記でもよいが全員がつけること。個人名をつけるときは、ローマ字表記で全員がつけること。
また、学校名(会社名)とチーム名とが同一であればよいが、学校名(会社名)とチーム名とが異なるときは、チーム名しかつけることはできない。
(注)2006年オフィシャル・ルール改正により、高校生以下も個人名・チーム名をつけることができるようになった。


4−7項 プレイヤーの交代(42頁)

05年ルール
(注)不正交代とは次のような場合をいう。
@ 無通告交代
A 再出場違反
B DP違反
C 失格選手の出場

06年ルール [新設]
D 代替プレイヤー違反

[適用]
代替プレイヤー違反については、R4−7<効果>を適用する。
1 代替プレイヤーが無通告で出場した場合は、無通告交代となり、アピールプレイの対象となる。
2 代替プレイヤーとして通告して試合に出場していたが、規定の回数以上を超えてそのまま出場していた場合は、正しい選手と交代させる。
この場合は、ペナルティはなく、不正選手となる。


5−3項 正式の試合(46頁)

5−3.6 没収試合

06年ルール [新設]
(8) 退場になった監督・コーチ・選手が再び試合に出場したとき。


5−5項 得点差コールドゲーム(47頁)

05年ルール
5回以降10点以上の差が生じたときは、得点差コールドゲームを採用することができる。

06年ルール
5回以降7点以上の差が生じたときは、得点差コールドゲームとする。


5−8項 打ち合わせ(49頁)

5−8.2 守備側の打ち合わせ<効果>2

05年ルール
(1) 打ち合わせを規定以上行うと、投手は交代しなければならず、この試合では再び投手として登板することはできなくなり、不正投手となる。
(2) 攻撃側の打ち合わせ中、守備側が打ち合わせをしたとしても、それは「打ち合わせ」とはみなさない。
(3) 「タイム」を要求しないで打ち合わせをしたときは、審判員の判断により「打ち合わせ」とみなされる。

06年ルール [新設]
(4) プレイイングマネージャー(守備者として出場中の監督・コーチ)が試合に出場しているとき、「タイム」を要求しないで打ち合わせを繰り返したときは、警告を与え、審判員の判断により「打ち合わせ」とみなされる。

[例示]
[監督が捕手として試合に出ていた。守備中にタイムをとらずに、何度も投手のところに行って、話し合いをしていた。]

[運用]
まず1回目は警告し、2回目以降は、審判員の判断により「打ち合わせ」とする。


6−1項 投球の準備

05年ルール
投球動作に入るときは、身体の前で球を両手に持ち、2秒以上、10秒以内身体を完全停止しなければならない。

06年ルール
投球動作に入るときは、身体の前または横で球を両手に持ち、2秒以上、5秒以内身体を完全停止しなければならない。

[運用]
このルールの趣旨は、「2秒以上完全に停止させる」ことではなく、不完全なセットで打者の目を欺くような行為を禁止することである。
また、05年ルールの「2秒以上10秒以内」ではあまりにも長く、実戦でも10秒近くセットする投手もいないことから、現実的に「2秒以上5秒以内」としたものである。


6−7項 塁への送球(55頁)

6−7<効果>(1)(注)

05年ルール
(1) 投手が不正投球をし、打者が打たなかった場合(空振りの時を含む)
3) 走者に1個の安全進塁権が与えられる。
(注) ただし、走者が正しく進塁すれば、その進塁は認められる。

06年ルール
(注) 与えられた塁に達したのちも、走者はアウトになる危険を承知で進塁できる。ただし、走者が正しく進塁すれば、その進塁は認められる。

[例示]
[投手が投球したとき、一塁走者が二塁へ盗塁した。このときの投球は不正投球であったが、これをパスボールした。これを見て走者はさらに三塁への進塁を試みたが、三塁近くで三塁手にタッチされアウトが宣告された。走者は不正投球なので二塁への安全進塁権を主張して二塁に戻った。]
この走者はタッチアウトになる。
不正投球はディレードデッドボールで、プレイが続いている間はインプレイであり、安全進塁権は1個はある。しかし、それ以上の進塁はアウトになる危険を承知で進塁したことになり、アウトになれば安全進塁権は消滅する。


6−8項 準備投球(56頁)

6−8.1

05年ルール
各回(イニング)のはじめと、投手が交代した時の準備投球は、1分間を限度とし5球以内である。
<効果>1
投手が5球を超えて準備投球を続けたときは、1球ごとにワンボールが宣告される。

06年ルール
各回(イニング)のはじめと、投手が交代した時の準備投球は、1分間を限度とし5球以内、次の回以降は3球以内である。
<効果>1
投手が規定の投球数を超えて準備投球を続けたときは、1球ごとにワンボールが宣告される。


7−6項 打者がアウトになる場合(66頁
7−6.8

05年ルール
打者が不正バットを持って打者席に入ったとき。

06年ルール
打者が不正バット(未検定のバットを含む)を持って打者席に入ったとき。
[適用]
1 ボールデッド
2 打者アウト。(走者は進塁できない)


8−4項 走者に安全進塁権が与えられる場合(80頁)
8−4.8<効果>8(注1)

05年ルール
インプレイの送球がブロックトボールまたはオーバースローになったとき。
<効果>8
(1) ボールデッド
(2) 野手の手から球が離れたときの走者の位置から、2個の安全進塁権が与えられる。

06年ルール[新設
<効果>8(注1)
飛球(ラインドライブを含む)が捕球されたときは、投球時占めていた塁から2個の安全進塁権が与えられる。

[修正]
ケースブック8069
[一死一塁。打者がセンターへ大きなフライを打ち上げた。一塁走者はヒットになると判断してすぐにスタートし、二塁を回って三塁に向かっていた。中堅手はこのフライを好捕し、ダブルプレイにしようと一塁に送球したが悪送球となって球は場外に出てしまった。]
「悪送球ボールデッド」となったときは、野手の手から球が離れたときの走者の位置を基準に2個の安全進塁権が与えられる。このケースでは一塁走者に本塁までの安全進塁権が与えられる。
ただし、・・・
                         ↓
飛球が捕球されたとき、「悪送球ボールデッド」となったときは、走者が投球時占めていた塁を基準に2個の安全進塁権が与えられる。このケースでは一塁走者に三塁までの安全進塁権が与えられる。
ただし、・・・


10−6項 プレイの中断(100頁)
10−6.6

05年ルール
負傷した場合は、審判員が重大な負傷と判断した場合を除き、進行中のすべてのプレイが完了するか、あるいは走者がその占有する塁を確保するまでは、タイムを宣告してはならない。

06年ルール
ただし、タイムを宣告した場合には、走者には審判員の判断により、その走者が達していたと思われる塁が与えられる。


11−2項 抗議できる場合(103頁)
11−2(注)

05年ルール
試合中、抗議できるのは監督またはコーチだけである。プレイヤーには抗議権はない。

06年ルール
試合中、抗議できるのは監督だけである。プレイヤーには抗議権はない。





 
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